我が事務所 ワン・プラス人財研究会の腕利きコンサルタント2人?のある日・ある場所・ある食事中の会話が聞こえてきました。今日は、介護業界についての会話みたいです

 昨日、介護の統計資料(以下資料は、すべて介護労働安定センター発表によるものです)を見たら、「事業を運営する上での問題点」として【人材の確保や定着が難しい】が一番の課題に挙げられていたんだ。そして次いで【賃金を十分に払えない】が続いていた。

 事業を運営する上での問題点 公益財団法人 介護労働安定センター
「良質な人材の確保が難しい」56.7%、「人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」47.5%、「労働者の労働条件や労働環境の改善が出来ない」30.6%、「書類作成が煩雑で時間に追われている」30.1%、「教育・研修の時間が十分取れない」26.0%

 うん、不足感や賃金は、介護業界の根本的な問題と言われているところだね。異論はないんだけど、でも統計を見ていくと、気になる点が他にもさまざまあるんだ。

 それは、なに? どこ?

 例えば、有給休暇の取得率だよ。厚生労働省の調査では平均取得日数9.3日に対して介護業界は7.0日とあったね。ある介護現場では、有給の取得が連続して3日までしか取れない、これが常態化している、という話を聞いたことがあるよ。

 ん~ きついなあ… ちょっとどころか大幅に時代について行ってないね。これでは採用や定着にマイナスだね。他にはどんな点があるの?

 じゃ、核心を話すよ。ぼくが最も気になったのは、「他の産業に比べ労働条件が良くないから従業員の不足感は恒常的にある」という意見が多いことだね(従業員の不足感65.3%)。確かに賃金は決して高い業界とは言えないね(介護職員215,502円)。でも、この業界ならではの働き易さもあるんじゃないかな。簡単に人材不足がネックと言うだけじゃ何も始まらないよ。別の質問で介護業界に就職した理由を尋ねてるんだけど、「やりたい仕事・働き甲斐のある仕事」と思ってる人が35%と多いんだよ。人や社会の役に立ちたいからが23%と、介護職の仕事を前向きにとらえている人が多いのも事実なんだ。

 そうなんだ。世間一般では介護の仕事は「きつい」「汚い」「きびしい」とか言って、歓迎されてないね。そういった表面的な意見がよく聞こえてくるけど、仕事に対する前向きなとらえ方の意見もあって、将来に期待が持てるね。
                 ●第2回に続く……